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こころの掲示板
3月

署:那須野 彩子
伊那西高校は、「新しい時代にふさわしい教養豊かな女性を、伝統の念仏の心をもとに育てたい」という学園の初代理事長である高松了秀氏の願いのもと、創立されました。
「念仏の心」とは、「お互いが人間同士であることを念(おも)う心」ともいうのでしょうか。学校という場所は、教える「先生」がいて、教えられる「生徒」がいるというのが一般的なことかもしれません。しかしながら、伊那西高校は、「念仏の心をもとに育てたい」という願いから、「先生」や「生徒」という立場を超えて、一人の人間として共に歩み、呼応することも大切にしています。
この「念仏の心」というのは家庭の中でも大切にしていかなければならないことです。しかし、中々そうはならないのが私たち人間です。他人との関わりであれば遠慮ができますが、家族同士になるとそうはいきません。親は親のエゴがでます。子は子でわがまま放題。夫婦は夫婦で自分の都合を通そうとします。「相手を念う」といいながらも、多くの家庭では「煩悩の火が燃え盛っている」ことが、実情ではないかと想像します。
親にすれば子どもはいつまでも子どもです。一言で済めばいいことをついつい、二言、三言になっています。そうすると、子どもは、相変わらず文句ばかり言われると、聞き流すようになります。しかし、そんな煩悩がぶつかり合う中でも、親が大事にしていることは子どもに伝わっているのだと思います。
「親が子へ」、これは「先生が生徒へ」や「先輩が後輩へ」という言葉に置き換えても、同様ですが、先に進む人が唯一相続できるものは”大事にしていることを生活の姿勢としても持つこと”すなわち「生き方」なのではないでしょうか。
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